2023年11月7日
梅毒が拡大しています
梅毒とは梅毒トレポネーマという病原体により引き起こされる感染症で、主にセックスなどの性的接触により、口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。オーラルセックスやアナルセックスなどでも感染します。また、一度治っても再び感染することがあります。梅毒に感染すると、性器や口の中に小豆から指先くらいのしこりができたり、痛み、かゆみのない発疹が手のひらや体中に広がることがあります。また、これらの症状が消えても感染力が残っているのが特徴です。治療しないまま放置していると、数年から数十年の間に心臓や血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、時には死に至ることもあります。妊娠中の梅毒感染は特に危険です。妊娠している人が梅毒に感染すると、母親だけでなく胎盤を通じて胎児にも感染し、死産や早産になったり、生まれてくる子供の神経や骨などに異常をきたすことがあります。日本では1948年から梅毒の発生について報告の制度がありますが、報告数は、年間11000人が報告された1967年以降、減少していました。ところが2011年頃から増加傾向となり、2021年以降大きく増加しています。心配なことがあったら、いつでも受診されてください。